最終更新日:2022/11/10
結婚を機に現在の仕事を辞めるのなら、失業保険や扶養申請といったさまざまな手続きを行わなければいけません。
結婚後の生活がどのように変化するかによってやるべきことは変わるからこそ、自分のケースではどのような手続きが必要なのか確認しておきましょう。
各種申請の内容や事前に確認しておくべきことをまとめましたので、参考にしてくださいね。
結婚を機に退職をするときの流れ
結婚を機に退職をするのであれば、真っ先に職場の上司に伝えなければいけません。
ついつい、職場にいる仲のいい人に話したくなるかもしれませんが「上司である自分が退職の件を知らず、後輩が先に把握していた」となると、印象はよくないでしょう。
「ほかの人の口から聞いた」なんてことにならないよう、まずは上司に伝えることを最優先してください。
退職の報告をするときは、原則退職日の1ヶ月以上前、職場によっては2ヶ月以上前までに報告する義務があります。
しかしこれはあくまで「最低でもその期間に」という話ですから、次に職場に入る人を見つけるとなるとできるだけ早いほうがよいでしょう。
なるべく、3カ月~半年前を目安に退職の意向を伝えるようにしましょう。
重要な役職に就いているのであればなおのこと、早いに越したことはありません。
報告の際、結婚式を挙げる時期の目安が決まっていればあわせて報告し、スピーチの依頼などもしましょう。
退職日が近づいてきたらしっかり引き継ぎを行い、各種手続きの準備もしておきます。
失業保険とは?
結婚を機に仕事を辞めるなら、失業保険(失業手当)の手続きを行いましょう。
これは、仕事を辞めた社員に対して、再就職までのあいだに必要になる生活費用として雇用保険から手当金が支給される制度です。
仕事を辞めるまでの2年間に、12ヶ月間以上雇用保険に加入していたのであれば、手続きをすれば誰でも手当金を受け取れるようになります。
雇用保険の保険料については支払っている意識があまりない人もいるかもしれませんが、実は毎月の給与からちゃんと引かれているのです。
知らずしらずのうちであっても保険料を支払っていると考えれば、失業手当はぜひ受け取っておくべきでしょう。
申請にあたっては、自分で保険証や印鑑、住民票などを用意するほか、企業に必要な書類を用意してもらい、ハローワークに提出する必要があります。
そのため退職前にしっかりと「失業保険に関する書類をあらかじめ用意しておいてもらいたい」という旨を伝えておきましょう。
ただし注意しなければならないのは、失業手当はあくまで「次の就職が決まるまでの面倒を見る」ものですか、退職後再就職の意思がなければ受け取れないということです。
専業主婦(夫)になるのであれば、基本的には失業保険の給付対象外となります。
失業保険を受け取るためには、どちらかの扶養に入ってからでもハローワークで前向きに転職活動をする必要があります。
扶養申請とは?
結婚による退職後、再就職の意思がない、またはアルバイト程度でそれほど収入を得たいわけではないのであれば、配偶者の扶養家族として申請するとよいでしょう。
扶養家族になると、配偶者が勤めている会社の健康保険や年金保険に入ることができます。
その際には配偶者の勤め先へ連絡し、会社を通じて扶養の手続きをしてもらうようにしましょう。
追って、企業側から扶養に入る人の個人情報や身分証明書など、必要なものの提出を求められます。
一人分の保険料だけで保険などをまかない、家計の負担を減らすことができますので、検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、扶養家族になると稼げる収入に制限が生まれてしまいます。
扶養に入りながらアルバイトやパートで働くときには、年収が130万円を超えないように注意しましょう。
このボーダーラインを超えてしまうと、残念ながら扶養には入れず、収入が超過した時点で再び扶養から外れてしまいます。
また、勤務先によっては年収が106万円を超えた時点で、社会保険に入らなければいけなくなることもあります。
こちらのケースでは、130万円というボーダーラインに関係なく、106万円以上稼いだ時点で扶養に入れなくなりますので注意してください。
社会保険の加入条件は勤務先によって違いますので、再就職の際によく確認しましょう。
ただし「収入がボーダーラインを超えている状態で結婚し、退職した」というケースなら、そのあと専業主婦になり収入を得ることがないなら、問題ありません。
もし、結婚退職後も別の場所で働き年収130万円以上稼ぐつもりであれば、役所へ足を運んで国民年金や国民健康保険にまつわる手続きを行ってください。
これら各種手続きをする前にしっかり話し合い
そもそも「扶養家族に入るのか?」、「仕事はやめるのか?続けるのか?」、「仕事をするなら、雇用形態は正社員なのかパートやアルバイトなのか?」といったポイントは、一人で決めるのではなく家族とよく話し合った上で決定しなければいけません。
自分は「結婚したら退職して、専業主婦になる」と考えていても、相手からすると「自分の稼ぎだけでは不安だから働いてほしい」と思っていることもあるでしょう。
また「子どもを作らないなら今の稼ぎで十分」、「将来的に子どもがほしいなら、共働きでなければいけない」、「マイホームを購入したいから、しばらくさ仕事を辞められてしまうと困る」など、ライフプランによっても変わっていくはずです。
そのため結婚を機に、仕事について、働き方について、将来のことについて、夫婦でよく話し合って考えをすり合わせておきましょう。
特に扶養に入るか入らないか決めるにあたっては、家計を広く見通さなければいけません。
現在どのくらいの貯蓄があり、配偶者の収入はどのくらいなのか、働く必要はあるのか、130万円以上働かなければいけないのか……話し合っていくうちに、未来のことも考える必要が出てくるかもしれません。
結婚生活の中で次第に現在とは考えが変わっていくことももちろんありますが、いい機会ですから改めてパートナーと色んな価値観をすり合わせてみてくださいね。
まとめ
結婚とともに退職するのなら、覚えておきたい失業保険や扶養手続きについて解説していきました。
これらの手続きは必要があれば早い段階でしておかなければいけませんが、そもそも家庭によっては手続きが不要な場合、できない場合もあります。
今後の生活をどのように送っていくかという問題ともつながってくるため、パートナーと話し合いながら手続きの準備を進めていきましょう。
コラム監修者


フリーダムウェディング
代表取締役・ウェディングプランナー
畠中 ひろえ
Hiroe Hatanaka
結婚を機に、ウェディングプランナーに転身し、一部上場企業などの大手ゲストハウスやプロデュース会社でプランナー・マネージャーとして勤務。
そして、セールススーパーバイザーとして独立し、結婚式場とプランナー教育およびマネジメントのコンサルティングを提供。
コアファイズ株式会社の代表取締役に就任し、フリーダムウェディング始動。
関西テレビの「今後注目のウェディングプロデュース会社」としてメディアに取り上げられる。