最終更新日:2021/01/06
結婚するときに必要になる費用のひとつ「結納金」についてご存知ですか?
具体的にいくらくらいなのか、お返しは必要なのか、何に使われるお金なのかといったポイントは、結婚準備段階でしっかり確認しておきましょう。
今回は、結納金の金額や使い方など基礎知識をご紹介していきます。
結納金とは
結納とは、結婚式の前に行われる結婚の約束をする儀式のことです。
地域や年代によって細かな決まりは異なりますが、「家族同士の伝統的な儀礼」として今日まで残り、多くのご家庭で結婚前に行われています。
結納では多くの場合、約束のための品を送りますが、その一貫として送られるお金が「結納金」と呼ばれているのです。
結納金は御帯料(おんおびりょう)や小袖料(こそでりょう)とも呼ばれ、新郎側から新婦側へ送られます。
新婦は結婚の準備にお金がかかることから「準備に使ってください」という意味、それからお嫁さんをもらうことへの感謝の意味を込め、お金が送られるのです。
結納金を受け取ったら、新婦側は結納返しを用意します。
結納返しは「半返し」と言われており、受け取った結納金のおよそ半額を目安に用意しましょう。
ただし、お返しは必ず必要なものではなく、結納返しをしないケースも少なくありません。
地域の風習を参考にしながら、両親ともよ話し合って決めるとよいでしょう。
結納金の目安は?
結納金は基本的に「◯円以上でなければならない」という決まりはありません。
ただ、一般的には「月収の3ヶ月分」が目安とされています。
具体的には100万円前後が目安となるでしょう。
もちろん最適な金額はご家庭によっても違い、30万円ほどのこともあれば150万円、200万円という金額にのぼることもあります。
額を決めるときには「100万円」のようにキリのいい数字や、「末広がりの80万円」のように縁起の良い数字を選ぶといいでしょう。
あくまで男性側から女性側へ気持ちを込めて渡すものですから、新婦や新婦のご家族に「いくら包めばいいかな?」と相談するのはタブーです。
もし、目安額を用意することが難しければ無理のない金額で構いませんが、新婦にその旨を説明しておくことを忘れないようにしましょう。
ちなみに、結納金は新郎自身が用意する場合もありますが、新郎の両親に負担してもらうケースも少なくありません。
具体的な額は、両親と相談しながら決めるとよいでしょう。
結納金の決め方は?
結納金は、新郎の収入や貯蓄額を考慮して決定します。
相場の金額を参考にすることは大切ですが、結納金を用意したために預貯金が大きく減ってしまった……という状態では、新婦もその後の生活に不安を覚えるはずです。
あくまで、無理のない範囲で用意することが大切です。
「本当に無理のない範囲で用意すると、相場から大きく外れることが心配」というケースもあるかもしれません。
そんなときは、新婦側にことわりを入れてお渡しするようにしましょう。
「ボーナス1回分」のように分かりやすい金額なら、説明もしやすいかもしれません。
また、相場は地域の風習によっても変わり、結納や結婚式にこだわって華やかに行う地域では大きな金額を包むことが多い傾向にあります。
親戚、兄弟、地域の友人や職場の先輩など、身近な人に結納金についてたずねると参考になるかもしれません。
結納金はどう使う?
大きな金額の結納金だからこそ、「どうやって使うべき?」ということに悩んでしまうのではないでしょうか。
前述の通り、もともと結納金は、結婚式の準備資金のために使われていました。
そのほかにも、新生活のための資金にしたりや貯金に回したりと細かな決まりはありません。
一般的には、次のような使い方をすることが多いようです。
◆結婚式の費用として使う
◆新婚旅行の費用として使う
◆新生活で必要な家具や家電の費用として使う
◆新生活の生活費として使う
◆結納返しの費用として使う
◆将来のための貯金に
◆両親に預ける
結納金は基本的に個人へ渡すものではなく、家から家へ渡すものですから、まず両親に相談してから使い道を決めるとよいでしょう。
結納金はなくてもいい?
近年、結納をはじめとしたさまざまな婚礼儀式が昔に比べ簡略化されています。
その中で、「結納はするけれど、結納金は用意しない」というケースも増えています。
両家とも「結納金も結納返しもいらない」という考え方ならば、結納金を用意しなくても構いません。
一方で、どちらかだけが「いらない」と考えている場合は、トラブルにならないようよく話し合うことをおすすめします。
特に新郎側だけが「結納金をなしにしたい」と考えている場合、いきなりその旨を切り出したり決定したりするのは失礼に感じられてしまうでしょう。
新婦側の両親や親族が「結納金はあるもの」と考えているのなら、少額になってしまっても用意すべきです。
結納金をなしにするなら、最初にふたりで話し合った上でそれぞれの両親に相談しましょう。
まとめ
新郎から新婦へ、というよりも「新郎の家から新婦の家へ」という意味合いが強い結納金は、家族同士の結びつきを強くします。
いくら渡すべきか、またどうやって使うべきかといったポイントは、両親と話し合った上で決定するとよいでしょう。
地域性によって考え方も変わるため、悩んでしまったら身近な人にも相談しましょう。
コラム監修者


フリーダムウェディング
代表取締役・ウェディングプランナー
畠中 ひろえ
Hiroe Hatanaka
結婚を機に、ウェディングプランナーに転身し、一部上場企業などの大手ゲストハウスやプロデュース会社でプランナー・マネージャーとして勤務。
そして、セールススーパーバイザーとして独立し、結婚式場とプランナー教育およびマネジメントのコンサルティングを提供。
コアファイズ株式会社の代表取締役に就任し、フリーダムウェディング始動。
関西テレビの「今後注目のウェディングプロデュース会社」としてメディアに取り上げられる。